はやぶさ252号

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- Hayabusa 252 HIGHLIGHT
するための税制優遇や補助金で加点措置の恩恵を受けら
したうえ、
「中古設備」
を含めることを求める。
なお、
そ
れる仕組みである。
すでに大手・中堅企業を中心に中小企
れが直ちに困難な場合は、令和7年3月末日となって
業等を含めて5万社以上が参加しており、官民を挙げて中
いる適用期限を延長すること。
小企業による適正な価格転嫁を促す取り組みとして推進
②少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措
したい。価格転嫁をめぐっては従来の原材料費や光熱費だ
置については、物価が上昇していること等を踏まえ、
けでなく、今後は賃上げなどによる労務費の増加分も含め
取得価額要件を30万円未満から50万円未満に引き
るように産業界全体で認識を共有すべきである。
上げるとともに、損金算入額の上限(合計300万円)
人手不足や継続的な賃上げなど中小企業の構造的な
を撤廃し全額を損金算入とすること。
課題を解決するには、中小企業自らの経営改革も重要に
なる。
そのためには生産性の向上や付加価値の創出に向
(4)
中小企業等の設備投資支援措置
「中小企業経営強化税制」や「先端設備等導入計
け、
力強い政策的な支援が欠かせない。
また、中小企業経
画に係る固定資産税特例」等を適用するに当たって
営者の高齢化が指摘されている中で、企業の存続とサプ
は、手続きを簡素化するとともに、事業年度末(賦課期
ライチェーン
(部品の供給網)
を維持するため、
それぞれの
日)
が迫った申請や認定については弾力的に対処する
中小企業の事情に応じた事業承継の推進が求められる。
こと。
入計画に係る固定資産税特例」等、令和7年3月末日
1.中小企業の活性化に資する税制措置
が適用期限となっている中小企業等の設備投資を支
援する措置については、適用期限を延長すること。
中小企業は地域経済の担い手であるだけでなく、
日本経
済の礎でもある。
とくに中小・零細企業は企業全体の9割
以上、国内雇用の7割を占めている。
そうした企業が将来に
なお、
「中小企業経営強化税制」
や
「先端設備等導
(5)
中小企業の事務負担軽減
近年、
インボイス制度の導入や電子帳簿保存法の
わたって存在感を発揮するためには、中小企業の活性化
改正による電子データ保存の義務化に対応するなど
が不可欠である。地方創生の観点からも政府と自治体が
で、事業者の事務負担や納税協力コストは年々増加し
緊密に連携しながら、地域の中小企業に元気を与えるよう
ている。
また、今般の定額減税についても、給与所得者
な税制措置を強く求める。
に対する減税事務は事業者に委ねられており、
さらに
急遽、減税額を給与明細に明記することが義務化さ
れた。
(1)法人税率について
近年、大法人に適用される法人税率を引き上げる動
きがあるが、経済情勢等に鑑み、慎重に検討すること。
(2)法人税率の軽減措置
中小法人に適用される軽減税率の特例15%を本則
、
人手不足が深刻化する中において、
こうした事務負
担の増大はとくに経営基盤が決して強靱ではない中
小企業にとって重い負担となっていることを認識する
必要がある。
また、事務負担コストの軽減を図るため、
化すべきである。
また、昭和56年以来、800万円以下
中小企業のDX
(デジタル・トランスフォーメーション)
の
に据え置かれている軽減税率の適用所得金額を、少
推進につながるような特段の支援が欠かせない。
なくとも1,600万円程度に引き上げること。
なお、直ち
に本則化することが困難な場合は、令和7年3月末日と
なっている適用期限を延長すること。
また、上記(1)に関連して、中小法人に適用される軽
減税率まで引き上がることのないよう配慮すること。
(3)
中小企業の技術革新など経済活性化に資する措置
租税特別措置については、公平性・簡素化の観点か
2.事業承継税制の拡充
我が国企業の大半を占める中小企業は、地域経済の活
性化や雇用の確保などに大きく貢献している。中小企業が
相続税の負担等によって円滑な事業の承継ができなくな
れば、経済・社会の根幹が揺らぐことになる。
ら、
その政策目的を達したものは廃止を含め整理合理
化を行う必要がある。
ただし、中小企業の技術革新な
ど経済活性化に資する税制措置については、以下の
通りに制度を拡充したうえで本則化すること。
①中小企業投資促進税制については、対象設備を拡充
(1)事業用資産を一般資産と切り離した本格的な事業承
継税制の創設
我が国の納税猶予制度は、欧州主要国と比較する
と限定的な措置にとどまっており、欧州並みの本格的
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